歯肉退縮の手術をした話

歯肉退縮(しにくたいしゅく)というのは、歯ぐきが下がって歯の根元まで見えてしまう(歯が長く見える)ことです。

私は、ほとんどの歯が歯肉退縮になってしまいました。

当時は見た目が少し良くないくらいで、特に歯が染みるなどといった支障はありませんでした。手術は大がかりで決して安くはない費用。

先延ばしにする理由はたくさんありましたが、ついに思い立ち、手術に挑みました!

歯肉退縮の手術を決めた理由

私が歯肉退縮の手術を決断した理由は主に二つです。

  • 途中で辞めてしまった矯正を再開したかった
  • 将来的に悪化していくのを防ぎたかった

途中で辞めてしまった矯正を再開したかった

実はもともと前歯が出っ歯で、小学生の時から寝るときだけ装置を付ける矯正をしていました。

しかし、引越先で虫歯の治療をしたことで元の装置が入らなくなってしまい、自己判断で辞めてしまいました。
(これが良くなかった!皆さんは矯正は最後までやりましょうね!)

数年後気づけば、歯並びがまた悪化していました。「嚙み合わせもこれでいいのだろうか?」など不安が次々と出てきたことを機に再び矯正を検討しだしました。社会人5年目くらいのことです。

2,3件の歯科で矯正を相談して分かったこと。それは…

矯正を再開すると、歯茎が下がってすかすかの歯に見えてしまう!

当時、言われてみればすでに歯肉退縮が進行していて、同年代の人と比べて歯茎が下がっていました。

ここで、「歯科矯正をするなら歯肉退縮の手術も合わせて行うべきだ」という判断になりました。

将来的に悪化していくのを防ぎたかった

調べてみると、一度下がった歯茎は何もしなければ、基本的に元に戻ることはなく、歯肉退縮が進行すると知覚過敏を起こす可能性もありました。そしてこう考えたのです。

鏡を見るたびに、歯磨きをするたびに、見た目の悪さや不安を感じる毎日でいいのか?

いつか手術をすることになるのであれば、早めの方がいいのでは?

歯科医に聞いた話によると、手術後は後戻りするどころかむしろ、歯茎がさらに回復する場合もあるという話もお聞きしました。

ちなみに私の歯肉退縮の原因は、強すぎるブラッシングや幼少期の歯科矯正ではなく、生まれつきの骨格や体質によるところが大きいとお聞きしました。(私の行動のせいじゃないと分かってちょっと嬉しかったです)

これらの理由から1年ほど悩んだ末、手術を決断しました。

歯肉退縮の手術費用

2件の歯医者に相談し、手術の手法や本数も医師によって判断が分かれました。

しかし、1本5-10万円が相場。

手術する歯の本数が多い私は合計数十万~100万円を超える見積を提示されました。

手術後の経過(当日)

手術は3時間にも及びました。手術の詳細は各歯科医のホームページなどにも載っているので省略します。

手術中は麻酔や痛み止めの服用をしましたが…結構痛かったです!痛みの具合を例えるなら…10段階の5くらい?でしょうか。結構痛めの脱毛を3時間くらい受けているようなレベルですかね。

緊張かつ、ビビり屋かつ、麻酔の副作用で心臓がドキドキするらしく、痛みだけでなく途中すごくドキドキする時があり、それもしんどかったです。

私の頭の中は、「口の中がすごいことになってる!」と感じつつ、プロフェッショナルの皆様に感謝しつつ、長時間の手術でぼーっとなりつつ、というのを繰り返していました。

そんな手術を終えた直後、まだ口がジンジンと痛く、感覚もまだ戻っていませんでした。

口を思うように動かせず、出血もあったのでマスクをして電車で帰りました。

そして困ったのは食べ物!ものを口に入れるために口を開けたり、口をすぼめたりすることすら難しかったです。

時間をかけながらコーンスープやおかゆを食べました(そのまま飲み込みました)。ゼリー飲料は口をすぼめられず、スプーンに一度出してからそれを飲み込むという形にしました。

手術後の経過(術後1週間目)

専用のうがい薬や痛み止めを使って、日中はごろごろして過ごしていました。(この期間に人に会う場合は、大き目のマスクをして、できるだけ喋らないことを許してもらえないと大変そう…)

この期間の困ったことはこちら

・顔が腫れる(手術の翌朝が最強の腫れで、右頬がピンポン玉一つ分くらい腫れました。)

・顎の周りにあおたんができる(術後4日目頃から)

・口を動かせない

・食べられるものがめっちゃ限られる

・ずーっと若干の痛みを感じる

手術の疲れ、食べ物の変化、痛みのストレスなどが合わさり、なんとなくだるかったことを覚えています。

注意すべきはスープやおかゆは冷まして食べること!

手術後の経過(術後2週間目)

このあたりから、不便な生活に慣れると同時にこの食生活に飽きてきます。

食べられる範囲で美味しいものがないか、開拓し始めました。

初めて介護食品も買ってみましたが、結構味が濃い目で驚きました!柔らかさの段階とコスパで悩みましたが、炭水化物以外を摂取できた点では助かりました。ベビーフードも考えましたが…「自分の口の中は何か月児相当なのか?」とか「赤ちゃんの好きそうな味付けってどんなんかな?」とかベビー用品売場で熟考の末、買う勇気が出ないまま帰りました。

術後4日目頃からできたあおたんは、ちょうど術後2週間くらい続きました。

顔の腫れや痛みは少しましになったものの、まだ完全には元に戻っていません。2週間後の時点では、傍から見たら「ちょっと腫れぼったいかも」と気づくか気づかないかくらいの状態でした。

先週より少し元気を取り戻し、週の後半には食事と歯磨きを除いて普通の生活ができる状態でした。

手術後の経過(術後3週間目)

この頃からほぼほぼ、食事も普通のものを取り入れることができました。

しかし、調子に乗ってポテチを食べたらダメでした…。口の中でポテチが割れると鋭利なんです。

ずっとおかゆでしたが、麺類も食べることができて感動!

振り返ってみると、約2週間ほど不便な生活をする覚悟をしておけば良いかな、と思います。

やってみた感想(手術5ヶ月後)

肝心の歯茎の状態ですが、思っていたほど歯茎がモリモリにはなりませんでした。まだ歯が長く見えます(私の移植元の歯茎が小さめだったこともあるみたいですが)。しかし、術前の写真と比べると歯茎の厚みは目に見えて変化しました。そして、特にひどかった部分は歯茎の高さも改善しました。

また、口周りの違和感はほぼありません。よーく口の中を意識してみると若干変わったかも?とは思いますが、日常生活では全く気になりません。

一度に数本の歯肉退縮手術をするのは珍しいそうで、出費も大きかったので迷いましたが、今のところ「やって良かった」という結論です。

手術当日から2週間後くらいまでは確かに大変でした。しかし大きなハプニングもなく、やってみればなんとかなるものだと今では思っています。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということですね。

手術を決断するまで、すーーごく悩んだので、ちょっとでもそんな過去の自分のような方の参考になればいいなと思いこの体験談をまとめました!

個人差や歯科によって差があると思うので、あくまでも参考までに…。

複数の歯科で相談し、質問しまくって、調べまくって、決断したことも、現在後悔を感じていない理由の一つかなと思っています。

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